にしき的フォントを更新しました (Version 2.10) 。
内容は以下のとおりです。

  • 既存のグリフの修正・調整 ; 漢字を中心に字形をちょこちょこ手直し
  • 漢字を220字ほど追加 ; 総計は2500字ほどになりました。改定常用漢字表の2136字はすべて含みました。JIS第1水準の漢字が約8割埋まりました。日本語のフォントとしてもそこそこ使いものになってきたでしょうか。
  • キリル文字をそれなりに増補
  • APLの記号を追加
  • 「Miscellaneous Symbols」「Dingbats」あたりの絵記号類をてきとうに追加 ; 宗教がらみのシンボルやら星印のヴァリエーションやら
  • 私用領域にユニフォンの文字を追加(U+E740〜)
  • 私用領域にソルレソルの記号を追加(U+E770〜)
  • 沖縄方言用の仮名「沖縄文字」に、文語表記用として新たに4字が創出されていたので*1、それらを追加




キリル文字については、初期キリル文字を中心にざらっと追加しました。


「ユニフォン (Unifon)」というのは、米国の経済学者 John R. Malone 氏が英語教育のために考案した人工文字です (公式サイト)。
ラテン文字をベースにした40字のそれぞれが英語の音素ひとつに対応するようになっており、発音のとおりに表記することが意図されています。


「ソルレソル (Solresol)」というのは、フランスの François Sudre 氏による人工言語で、ドレミファソラシの7音階を用いてコミュニケーションをすることを試みたものです (文法書および語彙集(PDF))。
7音それぞれには数字や色、指文字などが対応づけられており、それらを利用してさまざまな方法で発話することができるようになっています。
筆記にも以下のようにいくつかの方式があります:

  • 音名そのもの (do, re, mi, fa, sol, la, si) で表記。例: solresol
  • 音名から末尾の1字を落としたもの (d, r, m, f, so, l, s) で表記。例: sorso
  • 3本の横線の上に楽譜よろしく音符を記入する表記。
  • 音階に対応する数字 (do=1, re=2, …) によって表記。例: 5 2 5
  • 速記による表記。

当フォントではソルレソル特有の文字として、上述のうちの楽譜様の記号ならびに速記の記号を収録しました。
速記については本来は続け字で表記すべきものですが、当フォントはとりあえず個々の音階の記号を収めるに留めています。


それから、絵記号をいろいろ追加したついでに、Unicodeに収録されていない十字形シンボルの類を私用領域のU+F5C7〜あたりにいくつか入れてみました。